エヴィア水路に入り、カルキ橋スタック!!!

9月7日(月
リムノス島を出航。
しかしこの日は、とっても残念な決断によりコースを変更して、南下することに。
その残念な変更とは?
実は、ちょいと北上して、アトス山の周りにある岸壁の上に立ち並ぶ修道院(世界遺産)を見に行く予定だったのです。ここは、世俗から離れて修行する修道院なため、一切の道路が無く、海からの眺めでしか見ることができません。
しかも、男性修道士たちの修道院ということで、完全なる女人禁制。一切の動物のメスもダメという厳しい場所です。海岸線も、女性の上陸が認められていません。唯一、女性が見ることができない世界遺産です。(男性であっても、巡礼の予約が必要です) 

と、いうことで、女性である私は、この禁断の眺めを楽しみにしていたのです。(男性陣たちは、この禁欲修道院の向かいにあるという、ヌーディストビーチを楽しみにしていました)

が・・・、気象予報では、低気圧が南下中で、北に上がるコースが取れなくなってしまったのです。
 


結局、コースは、スポラデス諸島を行き、北風からの非難航路であるエヴィア水路に入ることに。途中、スポラデス諸島の小島でアンカリングをして一泊、十分な睡眠を取り、再び走ります。


  9月8日(火) エヴィア水路に入ってきました。真ん中は、くびれた形になっていて、そこには小さな橋がかかっています。

 この橋を開けてもらって通ることになるのですが、その前夜、橋の手前の漁港で泊まった時のことでした。夜の暗闇の中で入港し、親切な漁民によってようやくドッキングを終え、その後、漁民たちの集まる場所に赴いた私は、彼らから、とんでもないことを耳にすることに!
「えぇぇぇ!!! 橋は、昼には開かないだって!?」
「そりゃ~。大変だ~」

「橋は、真夜中にしか開けないんだから、ちょうど今頃、開いているよ。でも開くの30分だけだから、間に合うかな?」と、漁民。

ようやく船を着けて、ホッとしたばかりなのに!もう寝る準備をしているのに!しかも、開くの30分だけ、明日、橋に行っても昼は開けてもらえないなんて!

「大変だ~」
走って、みんなにそのことを伝えると、みんなも、唖然・・・。

9月9日(水)
結局、思いもかけず、橋の手前で、まるっと一日、橋が開くという夜中の12時まで待つことに。 


ボブ船長は、カルキ橋の開橋申請と、申請料を払いに行き、私は橋の様子を見に行きました。橋のたもとでは、渦を巻きながら流れています。

「この橋は、申請に応じて開くのではなくて、潮どまりの時しか、橋を開けられないんだ。それが、ま夜中なんだよ・・・」と、ボブ船長。なるほど・・・。


夜11時。チャンネル12をオンにしておいたVHFから、船の名前が呼び出される。「セレブレーナ、もうすぐ橋を開ける。待機せよ」 「ラジャー」

そして、30分後、VHFで船の名前が呼び出された順に、橋に向かう。



ようやく、カルキ橋を通り、再び南下。一日、スタックした遅れを取り戻さなければなりません。


カルキ橋の手前で、西出さんは、仕事のためNYに飛ばなくてはならず、ここでお別れ。二組、三時間のワッチとなる。ここからは、コリントス運河まで、一気に行きます。