船は、ベネトー。Oceanic 411 名前は、セレブレーナです。
出発地、イスタンブール!
エスニックな雰囲気。トルコ人は、みんな陽気で優しい。一気に、トルコファンになってしまいました。
さてさて、いよいよ出発。
初日の航行予定は、マルマラ海を一気に横断、ダーダネルス海峡を一気に下り、翌朝、トロイの遺跡の玄関口、チャナッカレに到着予定。
約132マイル。オーバーナイトとなるため、水道が使えるうちに、うどんとジャガイモをしこたま茹でて、爆弾のような大きなおにぎりをどっさりと作る。
ダーダネルス海峡は、黒海からの押し出しの追い潮に乗り、平均7ノット以上を予想。
今回のメンバーは、WV校長のスキッパー・ボブと、
来年の夏から太平洋をぐるっと一周する計画のために、まずはウインドバレー留学に来た景虎さん。
シアトルからの参加、高感度抜群中年の西出さん。
夢は宇宙でプラモデルの組み立てと、スターウオーズのような高速トリマランヨットで世界を一周のダイスケさん。
ドイツの研究所に転勤が決まり、引越しついでに大きなスーツケースと共に乗り込んだサイエンティスト・ヒデ。
と、落馬による鞭打ち後遺症と腰痛でヘルムが大の苦手、重度の船酔で薬漬けのヘロヘロセーラーの私です。一応、紅一点であります。
ウエザーキットとハーネスの準備をして、ヨットマスターコース通例の、ロングクルーズと、ナイトワッチのはじまりです。
船は順調に走行。日も暮れると、まわりは真っ暗。
ダーダネルス海峡は、狭い上に本線航路が幅をとっているため、本船航路に入らないように気をつけながらのナイトワッチです。
二人一組、二時間の三交代。星空の元、遠くの夜景を見ながら、何度か本船に追い越されました。
9月5日(土)
給油のためマリーナに係留。10レグのときに、マストに登る手伝いをした船と再会し、ドックから舫いを取ってくれました。そして彼はドックに着くなり、言うのです。
「火曜から、ストームが来るぞ!」
「まじ~?」 ということで、火曜から荒れるらしい・・・。
(トロイの木馬は、船を壊して造られたと言われています。それを再現して、木材は帆船用のロープで括り、お尻には、クリートの部分が!しかも、この馬はオスらしい。 そこも、ちゃんと作られていました。
この中に兵が隠れているとも知らないトロイは、木馬を城壁の中に入れてしまい、夜中に門の鍵を開けられてしまいます。そして、スパルタの兵が、トロイの国になだれ込み、滅ぼされてしまうのです。)
その後は、恒例の、山登り。
「なんで、登るの?」と聞かれたら、「そこに、山があるから」としか答えられないが、ボブ船長も、わたくしも、山登りが大好きということで、勿論の如く、山に登る。この山もかつては、ヴェネチア時代の城塞でした。
結局、コースは、スポラデス諸島を行き、北風からの非難航路であるエヴィア水路に入ることに。途中、スポラデス諸島の小島でアンカリングをして一泊、十分な睡眠を取り、再び走ります。
9月8日(火) エヴィア水路に入ってきました。真ん中は、くびれた形になっていて、そこには小さな橋がかかっています。
9月9日(水)
結局、思いもかけず、橋の手前で、まるっと一日、橋が開くという夜中の12時まで待つことに。
夜11時。チャンネル12をオンにしておいたVHFから、船の名前が呼び出される。「セレブレーナ、もうすぐ橋を開ける。待機せよ」 「ラジャー」
そして、30分後、VHFで船の名前が呼び出された順に、橋に向かう。